今回は実際に日系大手メーカーに勤務する僕が、メーカーに入社する前と入社した後で強く感じたギャップを紹介します。
と感じることは誰しもよくあることなのですが、そのギャップがあまりにも大きすぎると辛くなって辞めてしまうということになりかねません。
もちろん会社を辞めることは悪いことではありませんが、精神もすり減らされるし、できることならそういったギャップに打ちのめされない方が良いですよね?
これから日系大手メーカーに就職しようと考えている方、転職しようと考えている方は今回紹介するギャップを是非参考にしてください。
- 日系大手メーカーのイメージ
- 日系大手メーカーに入社した後に実際に感じたギャップ
- 日系大手メーカーに向いている人と向いていない人
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目次
外から見た日系大手メーカーのイメージ
皆さんは日本の大手メーカー企業と言われたらどの様なイメージを想像するでしょうか?
きっと無意識のうちに実際に私たちが使用しているモノ、つまりその企業が展開しているブランドや商品を見てイメージを結びつけているかと思います。
自動車、家電、パソコン、スマホ…
大きなものから小さなものまで日本のメーカーが製造しているものは身近にたくさんありますよね。
特に昨今の機器類の先進化は凄まじく、数年前と比べただけでも「こんなに違うのか!!」と思うぐらい進化しています。
そういった先進的でハイテクな商品を見ていると、
- 『きっと会社内の制度や働き方改革も進んでいるんだろうな..』
- 『社員の人達はみんなエリートでスタイリッシュなんだろうか..』
- 『CMもカッコいいし良い会社そう』
などと考えるかもしれません。
実際に僕もメーカーに入社する前はそういったイメージを少なからず抱いていました。
特に就活生時代は色んな企業の人たちと接する機会がありますし、その企業の人事と会ったりするとなぜか「強者」というか「スゴイ人達」に見えてしまうんですよね笑
ただ実際のところ、入社してみるとその様なイメージと現実はかなりギャップがあると感じました。
世界に誇れる製品を生み出しているリーディングカンパニー=会社の制度や働き方も先進的で働いている人達もスタイリッシュ
というわけでは決してないということです。
次の章では筆者が大手メーカーに入社して実際に感じたギャップをいくつか紹介していきます。
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日系大手メーカーに入社した後に実際に感じたギャップ
まず前提として、日系大手メーカーに入社したらほぼ確実にと言っていいほどギャップを感じることとなります。
これはどの企業にも言えることなのですが、説明会などで話している内容はぶっちゃけ多少盛られていたり美化されているからです。あたかも欠点がひとつもないかの様に自社を説明します。
でも決して嘘をついているわけではないんです。就活は企業にとっても学生の取り合いなので、どこも必然的にそうなります。自社を売り込むためにわざわざマイナス点を強調するメリットがないですからね。
企業側が説明していることを真正面から受け止めると余計に大きなギャップを感じることになりますので注意しましょう。
それでは実際に筆者が感じたギャップを解説していきます。
- チャレンジ精神ある人材を募集している割には保守的
- 先進的な製品を扱っているが体質は古い
- 誰に対して何のためなのか不明な仕事がある
- そこまで給料が高いわけではない
チャレンジ精神ある人材を募集している割には保守的
大手メーカーあるあるのひとつとして、募集要項に『挑戦意欲がある人』『チャレンジ精神のある人』と記載されていることが多いです。
もちろん説明会でもこういった人材を募集していることをアピールします。
しかし中に入ってみると本当に強く感じるのですが、大手メーカーの実態はかなり保守的です。
ただ誤解をしないでいただきたいのは、「新しい製品を世に届ける」といった意味では挑戦的なんです。
- まだ世界に類を見ない製品を作り出す…
- 画期的で先進的な製品を作り出す…
こういった意味ではモノづくりで収益を得ているメーカーは、日々生き抜くために新たな製品の開発に注力しています。よって外部からは挑戦的な印象を受けます。
ここで言う『保守的』とは、会社の制度や働き方など、外部からではなく内部から見た側面のことです。
製品に関しては前例のない製品を世に届けようとしますが、内部的なことに関しては基本的に前例のないことはしようとしません。
恒例となっている行事や、昇給条件、人事制度、福利厚生など、昔から変わっていない内容のままというものもあります。
変えていくために若手が意見したとしても、何かとつけて「前例がないからダメ」という言葉で多くの改革案がボツにされていきます。
業務に関してもチャレンジ精神を持って取り組んだとしても、「前例がない。リスクがある。」でボツになることもあります。
表面上はチャレンジ精神を持った人を募集していたとしても、実際はかなり保守的なのでチャレンジ精神がない人でも余裕で入社できます(白目)
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先進的な製品を扱っているが体質は古い
冒頭でお話しした通り、確かに大手メーカーは先進的な製品を数多く取り扱っています。
しかしその反面、会社自体の体質は古いです。
時代は令和になったものの、どの会社にも「悪しき昭和の風習」はまだ残っています。
ぶっちゃけ、若手の僕たちからするとガチガチの昭和人間の方達ってどうしても合わないことがあるんですよね。
頑張って仲良くなろうと歩み寄ってコミュニケーションを取ろうとしても、絶対に打ち解けることができない人もいます。
こればかりはきっといつの時代も同じことですので、受け入れるしかないと思います…
体質が古い例を挙げるとすると、
- 全部データでやり取りすればいいのに、未だに紙で記入して社内便で送って数日後に帰ってくるとか…
- 資料にハンコを押して課長にも押しにもらいにいって、部長にも押しにいってもらって、最終的に「ハンコの傾きが悪い」でやり直しになったり…
とにかくムダが多いんですよね。
ムダをなくすためにカイゼンをどんどん行なっていくって会社の説明会や研修でも言ってたのに笑
灯台下暗しとはまさにこのこと。昔からずっと勤めている方には見えていないんですよねきっと。
そして一番が年功序列制度。
大手メーカーの年功序列が崩れることはきっとありません。
トヨタの社長が「終身雇用を続けていくのは困難である。」と発言していましたが、それでも当分は無くならないでしょう。
年功序列が廃止になって一番困るのはどんな人達でしょうか?
今まで長年勤務してきた50代60代の方達です。彼らは絶対に年功序列廃止には反対します。若手・中堅社員よりも権力を持っているため、立場を利用して必ず廃止させないように動きます。
というよりも、もし年功序列廃止、終身雇用制度廃止なんてなったら大手メーカーにいる人達は大パニックで大騒ぎです。
個人的考えとしては年功序列は別に悪いものだとは思いません。全ての企業が完全実力主義になってしまったら、恐らく稼げない人の割合の方が多くなってしまうからです。
しかし年功序列なのを良いことに、年齢が上だけというだけで偉そうに接してきたり立場を利用したパワハラが存在するのも事実です。
(筆者は偉そうな人達やしつこく怒ってくる人達を、会社から一歩出れば所詮ただのおっさんと思うようにしています。)
この様に、大手メーカーは基本的に体質が昭和です。
昨今は多少変わり始めていますが、世の中のベンチャー企業などが始めた企業改革や働き方改革が世間で話題になってきた頃にやっと動き始めるという感じです。
基本的にこういった内部的なことに関しては他業種企業の後追いが多いです。
誰に対して何のためなのか不明な仕事がある
大手メーカーのような大規模な組織となると、自分が行っている仕事が誰に向けてのものなのかわからなくなることがあります。
例を挙げると…
- 他の部署からデータを紙でもらう
- そのデータをPCに保存する
- そのデータの内容を別のデータに入力する
- 印刷してまた紙にして保管する
いやこれ意味ある!?!?
と思ってしまうような仕事が実は意外とあったりします。
- 自分が行っている仕事が誰に向けての仕事なのか?
- 自分が行っている仕事が何のための仕事なのか?
その目的がわからない仕事があり、疑問に思ってしまうことが必ずあるでしょう。
さらにその仕事について特にフィードバックもないため、一体いつどこで活用されているのか全くわかりません。
勇気を振り絞って、
「あの、この業務って何のためにしているんでしょうか…?」
と聞いてみても、周りの先輩や上司も
「ああ!確かにこれって何なんだろうね…」
なんてこともあったりなかったり…
年月が進むにつれて全く意味のなくなった業務を知らず知らずのうちに続けていた
なんてことも起こり得ますので注意が必要です。
そこまで給料が高いわけではない
名が知られている大手メーカーに入れば高収入確定!!!!
なんて思う方もいるかもしれません。
結論から言いますと、ぶっちゃけそこまで高給というわけではありません。
なんなら20代のうちは修行期間と心得るべきです。
日系大手メーカーにあるあるなのですが、基本的に毎月の給料は残業代ありきの水準に設定されているところがほとんどです。
そのため世間的には高水準と言われていても、仮に一切残業しなかったとしたら年収的にはごくごく普通or少ないと感じます。
自分はそこそこ優秀な大学を出た人間だから…と思っていたとしても、年間残業時間が0時間だとしたら満足いく年収には全く届かないでしょう。
毎年の昇給に関しても、一定の年齢まで少しずつコツコツ上がっていく仕組みですので、一気にドッカーンと上がることはありません。
転職口コミサイトなどで大手メーカーの給与水準について書かれている内容を見ると、どの企業の口コミでも必ずと言っていいほど、
『世間の水準と比べたら良い方』
と書かれています。
実際ところ、その「世間」がどの「世間」かにもよります。
業種も同じメーカーでも大手以外と比較するのであればもちろん「良い方」に入るかもしれませんが、
世間全体を見渡した場合、大手メーカーよりも待遇が良い業種や企業はいくらでもあります。
日系大手メーカーへの入社が向いている人
これまでの日系大手メーカーの入社前と後のギャップを踏まえて、メーカーへの就職が向いている人はどんな人なのかを解説します。
- 安定を望む人
- 大きなリスクを負いたくない人
- 一生その会社で勤め上げても良いと考えている人
安定を望む人
激しい上下運動なく着実な人生を送りたいと考えている人にはとても向いています。
YouTubeやTwitterでは「今の時代は大手企業に就職しても安心できない!!」「日系企業に就職しても成長できない!!将来がない!!」などとよく批判されていますが、
個人的には「おいおい流石に誇張しすぎやろ…」と思っています。
ぶっちゃけ、良くも悪くも安定的な人生を送ることがほぼ確約されているのが日系大手メーカーの最大の特徴です。
- 毎年少しづつではあるが収入が増えていく
- 大手であれ不景気でもボーナスが大幅にカットされることはない
- 福利厚生がしっかりと整備されている
- 社会的信用がある
正直なんやかんや言ってこれらの利点が揃っている時点でかなり安心です。
大金持ちやハイスペ超エリートには程遠いかもしれませんが、良いか悪いかで言ったらバランスがとれた良い人生を送ることができます。
大きなリスクを負いたくない人
人生に大きく関わるようなリスクは負いたくない!という人にも大手メーカーは向いています。
実際に大手メーカーに入社してみるとよくわかるのですが、超堅実な人生設計をしている方が多いです。
まず、大手メーカー自体が保守的な体質ということもあり、働いている方も保守的な人が多いです。
人間誰しも大きな夢や野望を抱くはずです。
しかし行動を起こすことには大きなリスクが付きまといます。もしかしたら二度と現在と同じ水準には戻ってこれないかもしれません。
そのため自分の人生を賭けてまで、確証のない行動や勝機のない挑戦をする人はほとんどいません。
なぜなら現状のままでもそこそこの生活が保障されているから。
日系大手メーカーへの入社が向いてない人
それでは逆にメーカーに向いてない人はどのような人なのでしょうか?
こちらも引き続き紹介していきます。
- 安定よりも挑戦を選びたい人
- 若いうちから稼ぎたい人
- バリバリにキャリアアップを目指したい人
安定よりも挑戦を選びたい人
という思いがあり、これからどんどん自分の人生において挑戦していきたいという人にとって大手メーカーは向きません。
大手メーカーでも挑戦できる環境はありますが、その挑戦した結果はあなたの実績というより会社の実績になります。
悪い上司に当たると、上司がやったことにされてしまう可能性すらあります。
会社のお金を使って会社としての実績を残すことはできますが、あなた自身の給料や人生は変わりません。
大手メーカーでは、あくまで個人というよりも会社の看板を背負った人間として見られることがほとんどです。
それが嫌な場合、個人の成績を評価してくれる実力主義の会社か、独立あるいは企業するしかありません。
事実、そういった強い思いを持っている人は大手メーカーに入社しても皆さん辞めて他の道を進んでいます。
若いうちから稼ぎたい人
と思っている方はメーカーに入社すべきではありません。
メーカーは良くも悪くも一定の年齢までは一律で給料が上がっていく年功序列制度が採用されているところがほとんどです。
つまり、多少評価によって差が出ますが基本的にはできる人もできない人も給料はほぼ変わりません。
そのため20代で年収1000万円を達成するのは日系大手メーカーでは不可能なのです(例外除く)
もしあなたが若いうちから稼ぎたいのであれば、それこそコンサルだとか外銀だとか総合商社などの、明らかに高給として知られている企業に入社すべきです。
メーカーは労働量が上記に挙げた業種に比べて少ない代わりに、給料はそこまで高くありません。
というより、大手企業だから給料が高いと思ってメーカーに入ると拍子抜けします。
世間の平均と比べたら多いですが、上位層の業種と比べたら正直圧倒的に少ないです。
説明会や座談会で社員が給料高いアピールをすると思いますが、信じてはいけません。
メーカー社員はその世界しか知りませんし、中には本気で自分たちが日本トップクラスの給料をもらっていると思っている人もいます。
とにかく稼ぎたい!という人にはメーカーは絶対におすすめできません。
バリバリにキャリアアップを目指したい人
転職を見据えてキャリアアップを狙っていきたい人にもメーカーは向いていません。
結論として、メーカーに入った時点でキャリアの道を狭めることになります。
これは実際に僕も経験したことなのですが、いざ転職しようとしてエージェントに求人を紹介してもらっても、紹介される会社のほとんどが同業他社なんですよね。
同じ規模程度の大手メーカーを紹介されるということです。
理系の場合はわかりませんが、ぶっちゃけ文系はどこのメーカーに行こうがやってることなんてほぼ同じです。
これでは全くキャリアアップすることができませんよね。
それならば、最初からキャリアアップを目指せる大手金融や大手商社や外資系企業に入社すべきです。
メーカーはキャリアアップのための会社というよりかは、終身雇用で最後まで勤め上げるタイプの会社です。
もし将来キャリアアップを狙っている方は絶対にメーカーを選ぶべきではありません。(一部企業除く)
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日系大手メーカー入社後のギャップまとめ
今回の記事の要点をまとめています。
チャレンジ精神ある人材を募集している割には保守的
先進的な製品を扱っているが体質は古い
誰に対して何のためなのか不明な仕事がある
そこまで給料が高いわけではない
安定を望む人
大きなリスクを負いたくない人
一生その会社で勤め上げても良いと考えている人
安定よりも挑戦を選びたい人
若いうちから稼ぎたい人
バリバリにキャリアアップを目指したい人
今回は実際に僕が大手メーカーに入社する前と入社した後のギャップを紹介させていただきました。
他にもメーカーや就活に関する記事がありますので是非参考にしてください。
それでは今回は以上です。