昨今では競争率が高く高学歴がわんさか集まってくる大企業本体を避け、あえてその子会社やグループ企業を中心に受けていく、という就活生も多く見られます。
特に日本の大手メーカーには非常に多くの子会社やグループ企業が存在するため、中には世間的に超優良企業も存在します。
実際に就活や転職を続けていく中で
- 「大手子会社に就職するのは正解なのか?」
- 「なんとなく緩くて安泰なイメージがあるけど実際そうなんだろうか?」
という疑問を抱く方もいるかと思います。
そこで今回は、大手メーカーの子会社に就職するメリットやデメリット、子会社やグループ企業での会社生活の実態について解説したいと思います。
- 「子会社」と「グループ会社」の定義や違い
- 大手メーカーの子会社は優良企業なのか
- 親会社と子会社の待遇の差
- 大手メーカーの子会社に就職するメリットとデメリット
自己紹介
投資歴4年×日本個別株・米国株・ETF・投信etc…
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自己投資と出会いと金融投資で人生を豊かに!…なんて掲げたはいいものの完全に雑記ブログと化した男
目次
「子会社」と「グループ企業」の違い
就活生の中には「子会社」と「グループ会社」がごちゃ混ぜになっている方もいるのではないしょうか?
特に「(会社B)は所詮(会社A)の子会社www」などといったネットの間違った情報を信じ込んでいる方も意外といるかと思います。
実際は子会社とグループ会社は明確な違いがあり、また子会社やグループ会社だからといって良い悪いがあるわけでもありません。
いくつかの企業を例にして解説していきます。
子会社とは?
子会社と聞くと、「親会社の社名が一部入っている会社は全部子会社なんじゃないの?」と思うかもしれませんが、実はそういうわけではありません。
(NTT◯○、トヨタ◯◯、日立◯○など)
子会社の定義は主に3つ存在します。
- A社がB社の議決権の50%超を所有している場合
- A社がB社の議決権の40%以上を所有している場合であって、一定の要件に該当する場合
- A社及び特定の者がB社の議決権の50%超を所有している場合であって、一定の要件に該当する場合
上記の3パターンのどれかに当てはまる場合、B社はA社の子会社となります。
簡単に例を交えて説明すると、
- ①はA社がB社の株式を50%以上保有しているためB社はA社の子会社になる。
- ②はA社がB社の株式を40%保有しており、B社はA社からの資金調達を全体の50%を占めている。(一定の要件)よってB社はA社の子会社となる。
- ③はA社がB社の株式を30%保有しており、B社の取締役会の構成員(要は役員)を過半数を占めている。なおかつA社の意思と同じ内容を議決するB社の構成員を25%占める。よってB社はA社の子会社となる。
ちなみに株式を100%保有していた場合、「完全子会社」と言います。
例えるならダイハツの場合、トヨタが株式を100%保有しているためトヨタの完全子会社となります。
ダイハツがトヨタの子会社だったということ、あまり知らなかったという方もいるのではないでしょうか?笑
グループ会社とは?
グループ会社とはいわゆる関連会社のことです。
子会社ほどではないが、株を保有している会社の影響を少なからず受けます。
グループ会社の定義は主にこの3つです。
- 当社が他社の議決権の20%以上を所有している場合
- 当社が他社の議決権の15%以上を所有している場合であって、一定の要件に該当する場合
- 当社及び特定の者が他社の議決権の20%以上を所有している場合であって、一定の要件に該当する場合
上記の3パターンのどれかに当てはまる場合、B社はA社のグループ企業(関連会社)となります。
簡単に例を交えて説明すると、
- A社はB社の議決権の22%を所有 。
よってB社はA社の関連会社となります。 - A社はB当社の議決権の17%を所有、また、B社はA社との間に多額の仕入れ取引がある 。よってB社はA社のその他の関係会社(グループ企業)となります。
- A社はC社の議決権の13%を所有。
よってC社はA社の関連会社に該当しない。 - A社はC社の議決権の13%を所有、A社の子会社であるD社はC社の議決権の8%を所有し、また、A社の役員がC社の代表取締役に就任 。
よってC社は当社の関連会社(グループ企業)となります。
大手メーカーの子会社は優良企業なのか?
さて、皆さんは大手メーカーの子会社やグループ会社に対してどのようなイメージをお持ちでしょうか?
- 「親会社からいびられ頭が上がらない」
- 「親会社が大きな企業ならむしろ安心」
- 「親会社よりまったりホワイト?」
- 「親会社から面倒な仕事が回ってきて激務でブラック?」
結論から言うと、上記で述べたイメージ内容は全て当てはまります。
子会社やグループ企業と言っても数多存在します。
いわゆる超大手企業の子会社やグループ企業の場合、世間の大手企業並かそれ以上の規模や待遇である企業も存在します。
もちろんその逆も然りで、大手企業の子会社であっても面倒な業務ばかり降ってきて、待遇面においても親会社と大きな差がある場合もあります。
どうせ入社するなら子会社でもそれなりに待遇が良くてホワイトな企業が良いですよね?
ひとつの判断基準としてはやはり自ら情報収集をすることです。
例えば四季報に掲載されている企業ならば、子会社やグループ企業であっても優良企業と呼ばれる企業が掲載されています。
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内部にいる人間の生の声を聞きたければOpenWorksなどの転職情報サイトと掛け合わせて調べるのも良い手でしょう。
そしてもうひとつの判断基準として、『社内カンパニー制度』を採用している大企業の部門の中から選ぶことです。
カンパニー制度とは、企業内で事業分野別に効率よく事業を行うために部門を子会社化して分けている制度です。
カンパニー制度代を導入している代表的な企業は、トヨタ、日立、シャープなどが挙げられます。
例えば、先述したダイハツなどはトヨタの軽自動車部門に分類されるというわけです。
カンパニー制度が導入されている企業であれば、その子会社も親会社に準ずる待遇や福利厚生が受けられる可能性が高くなります。
ただし注意していただきたいことが、大手企業の子会社=ホワイト=仕事が楽、というわけでは決してありません。
そもそも大手企業グループ内のホワイト企業というのは「残業代がしっかり出る」「福利厚生がしっかりしている」「各種手当が出る」という点を表すものであって、仕事内容がぬるかったり毎日定時で終わるということを意味した言葉ではありません。
この点だけは恐らくどの大手企業の子会社やグループ企業に入ったとしても共通することですので注意しておきましょう。
親会社と子会社の待遇の差
きっとこんな疑問を抱くはずですよね。
これはその企業によって差があるのですが、よく言われているのが親会社の7〜8掛け程度の待遇です。
「ええ!?2〜3割も低いの!?!?」
と思うかもしれません。
でも実際は若いうちはそこまで変わらなかったりします。
大手企業を中心とした子会社やグループ企業は、基本的に若いうちは給料が爆発的に増えることは少なく、一定の年齢まで到達して昇格すると一気に伸びる傾向があります。
この役職手当が大きな差を生みます。
同じ課長級でも、親会社のA社と子会社のB社ではそれなりに差があったりするのも事実です。
かといってこれは当たり前のことと言いますか、別に親会社子会社の関係でなくても同じ業界内の別の企業で、自分より良い待遇を受けている人はもちろん、自分より低い待遇の人だっていくらでもいます。
正直なところ、親会社が存在する以上同じ年齢で同じ職級だったとしても全く同じ給与がもらえるわけはないので気にしないようにしましょう。
大手メーカーの子会社に就職するメリット
それでは皆さんお待ちかね、大手メーカーの子会社に就職するメリットを紹介していきたいと思います。
僕の実体験や、周囲の友人に取材して聞いた内容を基に紹介していくため事実ベースに近いと思われます!
主なメリットは以下になります。
- 企業によっては待遇や福利厚生がかなり良い
- 親会社が超大企業なら安心
- 親会社に比べて雰囲気が穏やかだったり緩い場合もある
企業によっては待遇や福利厚生がかなり良い
賃金が親会社の水準と全く同じとまではいかなくても、それに近いぐらいの待遇を受けられる子会社は意外とたくさんあります。
特に親会社を中心としたグループにおいて、その子会社がグループの稼ぎ頭だった場合はボーナスが親会社より多くもらえる…なんてこともあります。
子会社だとしても世間やその地域で大企業として認識されている企業は高水準な待遇が期待できるのです。
また大企業のグループではよくあることなのですが、福利厚生の内容が共通という場合があります。
つまり、子会社だとしても親会社と同じような福利厚生を受けることができるのです。
説明会で給料のことを堂々と話す企業はなかなかありませんが、「福利厚生の内容が親会社と同じ」ということは企業側からもアピールしてくるはずですのでわかりやすいでしょう。
万が一聞けなくても、個別で質問すれば答えてくれるはずです。
福利厚生について質問することは別に悪いことでもないし、評価も落ちることはありません。安心してください。
親会社が超大企業なら安心
これも子会社ならではのメリットですね。
会社が倒産していきなり無職になるなんてことはありません。
ましてやトヨタや旧財閥系といった超大手企業ならば確実に安心です。
万が一、トヨタや旧財閥系が全て潰れる時はそれは日本が沈没する時です笑
親会社には入れなくとも、親会社の待遇に準ずる給与と安定した生活が確保されています。
そして先述した通り、福利厚生も本体と同じ内容を利用できるものもあります。
安定志向の方にとっては大企業の子会社に入社するのはもってこいの選択肢なんですね。
親会社に比べて雰囲気が穏やかだったり緩い場合もある
もちろん親会社は規模も大きく、もしあなたが大企業本社に入社したら殺伐とした雰囲気で捌ききれないほどの仕事をあくせくと取り組む…
なんてこともあり得ます!!
しかし子会社であれば親会社に比べて雰囲気が穏やかだったり緩い部署だって存在します。
(もちろん企業によりますが…)
まったりホワイト子会社を探し出すことができたらもう天国ですね!!
ただし、何かトラブルが起こった時に親会社が介入してきた際には大変なことになりますのでその点は知っておいてください笑
大手メーカーの子会社に就職するデメリット
もちろん人生は良いことだけではありません。
ちゃんとデメリットも紹介していきますね。
主なデメリットは以下の3つ。
- 親会社に比べたら待遇面が劣る
- 親会社の経営状態が悪ければ真っ先に売却される
- 面倒臭い大変な仕事ばかり降ってきて長時間労働になる
親会社に比べたら待遇面が劣る
やはり最も気になる点はこれでしょう。
形式上どうしても子会社は親会社に比べて待遇が低い傾向があります。
これはもう世の真理なので仕方がありません。受け入れるしかないでしょう。
ただし、親会社を中心としたグループの中で親会社よりも稼いでいる子会社があれば例外です。
そういった場合、子会社といえど親会社と同等かそれ以上の年収になることもあります。
例えば、大手自動車部品メーカーとして有名なアイシン精機ですが、子会社のアイシンAWが稼ぎ頭のため、AWの給料やボーナスは親会社の精機と同等かそれ以上とも言われています。
まあ現在はアイシン精機とアイシンAWは合併してAISIN(アイシン)になってしまったんですけどね…
親会社の経営状態が悪ければ真っ先に売却される
日本の電気メーカーが子会社の企業を中国や台湾に売却譲渡するという話をニュースなどで聞いたことがあるでしょうか?
これは中小企業だけでなく大手企業であってもありうる話なのです。
事実、この話は大企業での話です。
一括りに大企業と言っても、行っている事業や規模感はそれぞれ違います。
現在どんなに波に乗れている企業だったとしても、時代の急激な変化によっては業績が低迷してしまうこともあり得ます。
そんな時に子会社は、他のもっと大きな大企業や急成長をしている海外の企業に売却されてしまうこともあるのです。
売却されたからと言っても、個人レベルでは親会社が変わるだけで即解雇されるなどということはよっぽどないでしょう。
ただ、親会社が変わることでカルチャーや方針が今までとは全く変わってくるため、人によてはそれが苦痛に感じるかもしれません。
子会社に勤めるということはこういったリスクも少なからず存在するのです。
面倒臭い大変な仕事ばかり降ってきて長時間労働になる
親会社は企画やマネジメントをする傍ら、面倒な実務は全て子会社に丸投げ…なんてこともよく聞く話です。
- 親会社から実務がバンバン降ってきて、子会社はそれをゴリゴリにこなしていく。
- しかももちろんミスがあればゴリゴリに詰められる。
- 親会社から仕様変更の要望があればどんなに納期が短くても何がなんでもこなす。
こういったパターンも業界によっては話題になっていますよね。
メーカー業界自体ではあまり聞くことはありませんが、メーカーが母体のシステムエンジニア系の職種だと有り得る話です。
長時間労働になるだけではなく、親会社の人間と頻繁に関わる立場の場合はどうしてもストレスが溜まってしまう場合もあります。
しっかりと企業研究をして就活サイトを有効活用しよう
結論として大手メーカーの子会社を就職先として選択することは良いことだと思います。
親会社より待遇は低いといえど、福利厚生の面や働き方の面での良い点が大きいです。
あとは肝心の会社選びですよね?
先述した通り、同じ子会社でもブラックだったり長時間労働が多かったり、いろんな企業が存在します。
そこで以下に紹介する就活サイトやアプリを有効活用しましょう。
就活や転職を行う上で最も重要なことが情報収集です。
イメージやなんとなくではダメです。確かな情報を基に会社選びをしましょう
就活生向け
キャリタス就活は言わずと知れた就活生向け就活情報サイトです。
実際に僕もキャリタスが開催するイベントに参加したことがあります。
情報だけでなく、各イベントも頻繁に開催してくれるためとても助かります。
就活生向け
dodaキャンパスは転職サイトであるdodaが提供する就活生向け情報サイトです。
特徴はなんといってもオファー制度です。
上場企業も含めた多くの優良企業からオファーが届き、
それを基に就活&選考を進めていくという画期的な方法を採用しています。
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大手メーカー子会社に就職するメリットデメリットまとめ
- A社がB社の議決権の50%超を所有している場合
- A社がB社の議決権の40%以上を所有している場合であって、一定の要件に該当する場合
- A社及び特定の者がB社の議決権の50%超を所有している場合であって、一定の要件に該当する場合
- 当社が他社の議決権の20%以上を所有している場合
- 当社が他社の議決権の15%以上を所有している場合であって、一定の要件に該当する場合
- 当社及び特定の者が他社の議決権の20%以上を所有している場合であって、一定の要件に該当する場合
- 当社が他社の議決権の20%以上を所有している場合
- 当社が他社の議決権の15%以上を所有している場合であって、一定の要件に該当する場合
- 当社及び特定の者が他社の議決権の20%以上を所有している場合であって、一定の要件に該当する場合
- 企業によっては待遇や福利厚生がかなり良い
- 親会社が超大企業なら安心
- 親会社に比べて雰囲気が穏やかだったり緩い場合もある
- 親会社に比べたら待遇面が劣る
- 親会社の経営状態が悪ければ真っ先に売却される
- 面倒臭い大変な仕事ばかり降ってきて長時間労働になる
以上、大手メーカーの子会社に就職するメリットとデメリットを紹介させていただきました。
他にも就活転職関連の記事を書いていますので気になる方は是非!!




